Borland JBuilder 3 Foundation Editionで Java 3Dを使う (Windows NT, Windows 2000)

Borland JBuilderは1997年に発売されたJavaビジュアル開発ツールです。
1999年にFoundation Edition(基本機能版)が無償公開されました。

JBuilder 3 Fondation Editionは Java 2をサポートします。 Java 3DのJRAファイルを含めればJava 3Dが使用できるようになります。

JBuilder 3 Foundation Editionには Linux, Solaris, Windows NT版があります。

Windows NT版はWindos NT 4.0で動作します。 Borland(Corel)が動作を保証しているわけではありませんが、 筆者が試した限りではWindows 2000でも動作しました。 Windows 95/98版のJBuilder 3 Foundation Edition はありません

以下ではWindows NT版のダウンロード、 インストールを説明します。

JBuilder 3 Foundation Editionのインストールは 次のような手順になります。

  1. ダウンロード
  2. シリアルナンバー、インストレーションキー取得
  3. JBuilder 3 Foundation IDEのインストール
  4. シリアルナンバー、インストレーションキー登録
  5. JBuilder 3 Foundationドキュメントのインストール
  6. JBuilderへのJava 3Dインストール
  7. JBuildderへのJava 3Dライブラリー登録

JBuilder 3 Foundation Edition のダウンロード

JBuilder 3 Foundation Editionのダウンロード情報は 下記を参照してください。

http://www.borland.com/jbuilder/foundation/

jb3fchome.png

jb3fchome2.png

このページのいちばん下に、 Linux, Solaris, Windows NTそれぞれに対応したJBuilder 3 Foundation Edition のダウンロードページへのリンクがあります。

Windows NT版のダウンロードページは下記のURLになっていました。

http://www.borland.com/jbuilder/foundation/download/windows.html

jb3fcwdown1.png

JBuilder 3 Foundation Editionはいくつかのファイルに分かれています。 Windows NT版では次の3種類のファイルがあります。

説明 ファイル名 サイズ(バイト)
JBuilder 3 Foundation IDE win_jb30foundation.zip 30,332,519
JBuilder 3 Foundationドキュメント win_jb30docs.zip 29,574,433
OpenToolsドキュメント win_jb30opentools.zip 1,022,697

このうち「OpenToolsドキュメント」は JBuilder 3 Foundation IDEをカスタマイズする方法についてのドキュメントです。
インストール方法の説明は省略します。 このドキュメントが必要な方はインストールしてください。

jb3fcwdown2.png

jb3fcwdown3.png

シリアルナンバー、インストレーションキー取得

ダウンロードが完了したらシリアルナンバー、インストレーションキーを取得します。JBuilder 3 Foundation Editionはシリアルナンバー、インストレーションキーを登録しないと使用できません。

シリアルナンバー、インストレーションキー取得の情報は下記URLを参照してください。

http://www.borland.com/jbuilder/foundation/download/

jb3fcwreg1.png

シリアルナンバー、インストレーションキー取得はメンバー登録が必要です。 メンバー登録は無料です。

まだメンバー登録していない場合は、上記ページの
"Step1 Become a Member." ( http://ww4.inprise.com/register.nsf/jb3foundation?openform )をクリックしてメンバー登録します。

jb3fcwmember.png

すでにメンバー登録が済んでいる場合は、上記ページの
"Ansuwer Our Servey Questions." ( http://ww4.inprise.com/jb3foundation.nsf/survey?openform )をクリックし、アンケートに答えてインストールキーを取得します。

上記リンクをクリックすると ユーザー認証のダイアログが表示されます。

jb3fcwservey.png

メンバー登録のときに登録したユーザーID、パスワードを入力します。

jb3fcwservey2.png

アンケートの最初の項目はJBuilderの使用プラットフォームを選びます。
使用したいプラットフォームはすべて選んでください。 例えばLinux, Solaris, Windowsすべてを使用するならすべて選択します。

jb3fcwservey3.png

アンケートのすべての項目に答えて[Submit]ボタンを押すと ライセンス条項が表示されます。

jb3fcwservey4.png

jb3fcwservey5.png

ライセンス条項をすべて読み、 ライセンスに合意するなら[I Accept]ボタンを押します。

シリアルナンバー、インストレーションキーが表示されます。

jb3fcwservey6.png

シリアルナンバー、インストレーションキーは JBuilder 3 Foundation Editionの実行に必要なので、 ぜひこのページをファイル保存してください。

JBuilder 3 Foundation IDEのインストール

win_jb30foundation.zip には以下のファイルが格納されています。

>jar tvf win_jb30foundation.zip
     0 Wed Dec 01 16:16:22 JST 1999 win_vm/
  1037 Wed Dec 01 03:10:00 JST 1999 win_vm/deploy.txt
 30832 Wed Dec 01 03:10:00 JST 1999 win_vm/hints_and_tips.html
30603859 Wed Dec 01 03:10:00 JST 1999 win_vm/install.exe
 17159 Wed Dec 01 03:10:00 JST 1999 win_vm/license.txt
  2054 Wed Dec 01 03:10:00 JST 1999 win_vm/setup.html
      

win_jb30foundation.zipjarコマンドで展開します。

>jar xvf win_jb30foundation.zip
  win_vm/ が作成されました。
win_vm/deploy.txt が抽出されました。
win_vm/hints_and_tips.html が抽出されました。
win_vm/install.exe が抽出されました。
win_vm/license.txt が抽出されました。
win_vm/setup.html が抽出されました。
      

作成されたwin_vmディレクトリーに移動し、 installコマンドを実行します。

>cd win_vm

>install
      

jb3fc_unpaq.png

jb3fc_welcome.png

jb3fc_license.png

jb3fc_path.png

デフォルトのインストール先ディレクトリーはC:\JBuilder30です。
通常はデフォルトのままにすることをお奨めします。

※ JBuilderを 名前に空白を含むディレクトリー (たとえばC:\Program Filesなど) にインストールすることはお奨めしません。 うまく動かない可能性が大きいです。

jb3fc_copy.png

jb3fc_finish.png

以上でJBuilder 3 Foundation IDEのインストールが終了しました。

シリアルナンバー、インストレーションキーの登録

シリアルナンバー、インストレーションキーを登録するには JBuilder Foundation Editionを起動します。

[スタート]-[プログラム]-[JBuilder 30]-[JBuilde 3.0] を選び、JBuilder 3 Foundation Editionを起動してください。

jb3fc_start.png

[JBuilder Licensing]ダイアログが表示されます。

jb3fc_addname.png

[Name:], [Company:]に名前、組織名を入力し [Add...]ボタンを押します。

[Enter License Information]ダイアログが表示されます。

jb3fc_key.png

シリアルナンバー、インストレーションキーを入力して [OK]ボタンを押します。

[License Terms]ダイアログが表示されます。

jb3fc_licensing.png

"Lisense Agreement"(ライセンス条項)をすべて読み、 ライセンスに合意するなら、 [I understand and agree with the license terms] チェックボックスをチェックして [OK]ボタンを押してください

jb3fc_license_added.png

登録されたインストレーションキーが[JBuilder Licensing] ダイアログに表示され、JBuilder 3 Foundation Editionが起動します。

jb3fc_main.png

JBuilder 3 Foundationドキュメントをインストールするには、 いったんJBuilder 3 Foundationを終了してください。

JBuilder 3 Foundationドキュメントのインストール

win_jb30docs.zipには以下のファイルが格納されています。

>jar tvf win_jb30docs.zip
     0 Wed Dec 01 16:15:54 JST 1999 docs/
29672184 Wed Dec 01 03:10:00 JST 1999 docs/install.exe
   211 Wed Dec 01 03:10:00 JST 1999 docs/license.txt
   636 Wed Dec 01 03:10:00 JST 1999 docs/setup.html
      

win_jb30docs.zipjarコマンドで展開します。

>jar xvf win_jb30docs.zip
  docs/ が作成されました。
docs/install.exe が抽出されました。
docs/license.txt が抽出されました。
docs/setup.html が抽出されました。
      

作成されたdocsディレクトリーに移動し、 installコマンドを実行します。

>cd docs

>install
      

jb3fcdoc_unpaq.png

jb3fcdoc_welcome.png

[JBuiler License Agreement]ダイアログが表示されます。

jb3fcdoc_license.png

JBuilder 3 Foundation IDEのインストール時に表示された "License Agreement"(ライセンス条項)をすべて読み、 ライセンスに合意するなら、 [I accept license agreement] チェックボックスをチェックして [OK]ボタンを押してください

[Choose Install Folder]ダイアログが表示されます。

jb3fcdoc_path.png

JBuilder 3 Foundation IDEのインストールディレクトリーを正しく選んでください。

jb3fcdoc_copy.png

jb3fcdoc_finish.png

以上でJBuilder 3 Foundationドキュメントのインストールが終了しました。

ぜひ、JBuilder 3 Fondation Editionのインストールディレクトリー (この場合はC:\JBuilder30)に保存された hints_and_tips.htmlを プリントアウトして熟読してください

hints_and_tips.png

このドキュメントは、JBuilderを使っていてつまづく様々なケースについて、 数多くのヒントを与えてくれます。

すでにJava 2 SDK 1.3がインストールされている場合の注意事項

すでにJava 2 SDK 1.3がインストールされている環境に JBuilder 3 Foundation Editionをインストールすると、 Windowsレジストリーが書き換えられるため Java 2 SDK 1.3が起動しなくなります。

>java -version
Registry key 'Software\JavaSoft\Java Runtime Environment\CurrentVersion'
has value '1.2', but '1.3' is required.
Error: could not find java.dll
Error: could not find Java 2 Runtime Environment.
      

もし上記のようなメッセージが表示されてJava 2 SDK 1.3が起動しなくなったら、 Java 2 SDK 1.3をもう一度インストールしてください。

JBuilder 3 Foundataion に Java 3Dをインストールする

JBuilder 3 Foundation Edition Windows NT版には Java 2 SDK 1.2.2-004が含まれています。

JBuilder 3 Foundation EditionでJava 3Dを使用するには、 JBuilder 3 Foundation Editionのインストールディレクトリーにある Java 2 SDK 1.2.2-004にJava 3Dをインストールする必要があります。

java3d1_2beta1-win-opengl_sdk.exe をダブルクリックしてJava 3Dをインストールしてください。

j3d12ico.png

j3d12path.png

[Choose Destination Location]ダイアログが表示されたら、 [Browse...]ボタンを押して [Choose Folder]ダイアログを表示してください。

jb3fc_j3dpath.png

JBuilder 3 Foundation Editionのインストールディレクトリーにある jdk1.2.2ディレクトリーを選んで [OK]ボタンを押してください。

jb3fc_j3dpath2.png

[Choose Destination Location]ダイアログに JBuilder 3 Foundation Editionインストールディレクトリー配下の jdk1.2.2が表示されます。

[Next]ボタンを押して インストールを続行してください。

インストールが完了すると、JBuilder 3 Foundation Edition インストールディレクトリー配下の jdk1.2.2にJava 3Dがインストールされます。

C:\
 +---JBuilder30                       // JBuilder 3 Foundation Editionディレクトリー
     +---jdk1.2.2                     // Java 2 SDK 1.2.2-004ディレクトリー
         |   java3d-utils-src.jar     // com.sun.j3d パッケージソース
         +---jre
             |---bin
             |       J3D.dll          // OpenGL版 Java 3D DLL
             |       j3daudio.dll     // Java 3D サウンドDLL
             +---lib
                 +---ext
                         vecmath.jar  // javax.vecmath パッケージアーカイブ
                         j3dcode.jar  // javax.media.j3d パッケージアーカイブ
                         j3daudio.jar // com.sun.j3d.audio パッケージアーカイブ
                         j3dutils.jar // com.sun.j3d パッケージアーカイブ
      

このうちjre/binディレクトリーにインストールされた2つのDLLは Java 3Dの実行には必須です。

jre/lib/extにインストールされた4つのjarアーカイブは、 JBuilder 3 Foundation Editionにライブラリーとしてロードされるように 環境設定します。

JBuilder 3 Foundation EditionでのJava 3D環境設定

JBuilder 3 Foundation Editionが使用するJava 2 SDK 1.2.2-004に Java 3Dをインストールすることで、 JBuilderからJava 3DのDLLが使用できるようになりました。

Java 3DのライブラリーをJBuilder 3 Foundation Edition がロードできるように環境設定します。

jb3fc_defaultprop_menu.png

[Project]-[Default project properties...]を選ぶと [Default Project Properties]ダイアログが表示されます。

jb3fc_defaultprop_dlg.png

[Required Libraries]タブをクリックしてください。

jb3fc_path_lib_add.png

[Add...]ボタンを押すと [Select one or more libraries]ダイアログが表示されます。

jb3fc_path_lib_add2.png

[New...]ボタンを押すと [Edit library]ダイアログが表示されます。

jb3fc_path_lib_add3.png

[Name:]フィールドにライブラリー名 (ここでは"Java 3D")を入力し、 [Add...]ボタンを押すと [Select path]ダイアログが表示されます。

jb3fc_path_lib_add4.png

jre/lib/extディレクトリーにインストールされている Java 3Dのjarアーカイブ(4ファイル)

をすべて選んでください。

jb3fc_path_lib_add5.png

[Edit library]ダイアログに、 追加された次の4つのjarアーカイブが表示されます。

[OK]ボタンを押すとダイアログが閉じ、 [Select one or more libraries]ダイアログがふたたび表示されます。

jb3fc_path_lib_add6.png

[Select one or more libraries]ダイアログに、 追加した"Java 3D"が表示されます。

jb3fc_path_lib_add7.png

[OK]ボタンを押して [Select one or more libraries]ダイアログを閉じてください。

これでJBuilder 3 Foundation EditionでJava 3Dが使用できるようになりました。

Java 3Dを使ってみる

JBuilder 3 Foundation Editionを使って簡単なサンプルを書いてみます。

まずJBuilder 3 Foundation IDE(統合開発環境)で [File]-[Close project: "Welcome.jpr"]を選び、 "Welcome.jpr"を閉じます。

jb3fc_filenew.png

つぎに[File]-[New...]を選ぶと、 [Ojbect Gallery]ダイアログが表示されます。

jb3fc_newprj.png

"Project"を選び[OK]ボタンを押すと [Project Wizard]ダイアログが表示されます。

jb3fc_newprj2.png

JBuilder 3 Fundation IDEで[File]-[Newproject...] を選んでも[Project Wizard]ダイアログを表示できます。

[Project File:]フィールドに"untitled1\untitled1.jpr" というデフォルトのディレクトリー/プロジェクトファイル名が表示されます。

ここでは"jb3first\jb3first.jpr"に変更しました。 [Finish]ボタンを押して新規プロジェクトを作成します。

もういちど[File]-[New...]を選び、 [Ojbect Gallery]ダイアログを表示させます。

jb3fc_newapplet.png

"Applet"を選んで[OK]ボタンを押します。 [Applet Wizard]ダイアログが表示されます。

jb3fc_appletwiz1.png

[Class:]フィールドには"Applet1" と表示されます。ここでは"JBuilder3FirstApplet" と入力しました。

[Base class:]には"javax.swing.applet.JApplet" が表示されます。 ここでは"java.applet.Applet"に変更しました。

以下のチェックボックスをすべてチェックしました。

[Finish]ボタンを押すと アプレットのソースコードが生成されます。

jb3fc_firstapplet1.png

あらかじめ生成されたコードをJava 3Dのクラスを使って 書き直してみます。

jb3fc_firstapplet2.png

ソースコードを書き直したら、メニューバーの[Save all]ボタン jb3fc_firstapplet3.png を押してプロジェクトの全ファイルを保存します。

作成したソースコードは次のようになりました。

JBuilder3FirstApplet.java

コンパイルして実行してみます。 メニューバーの[Run project]ボタンjb3fc_run_button.png を押してください。コンパイルが開始されます。

jb3fc_build.png

コンパイルが終了すると[Runtime Properties] ダイアログが表示されます。

jb3fc_project_properties.png

[Applet]タブをクリックして[Set...] ボタンを押すと、[Select Main Class for Project] ダイアログが表示されます。

jb3fc_selclass.png

ツリー表示から、実行対象クラスとして "jb3first.JBuilder3FirstApplet"を選んで [OK]ボタンを押すと、[Runtime Properties] ダイアログがふたたび表示されます。

jb3fc_project_properties2.png

[Runtime Properties] ダイアログの[Main Class:]"jb3first.JBuilder3FirstApplet"が表示されています。

[OK]ボタンを押すとアプレットが実行されます。

JBuilder3FirstApplet.png

JBuilder 3 Foundation Editionはとても高機能な統合開発環境です。 このような高水準のソフトをフリーで提供したBorlandは たいへん高度な戦略的決断をしたものだと思います。

今回はLinux版、Solaris版のインストールは説明しませんでした。 Linux版にはJava 2 SDKは含まれていません。 先にJava 2 SDKをインストールしておく必要があります。

Linux版、Solaris版を使われる方はダウンロードページの説明を読んで インストールしてみてください。

重要なのはJBuilder 3 Foundation IDEが Java 3Dの共有ライブラリーを使用できるように設定することです。 Java 3Dのjarアーカイブの設定はWindows NT版とそう変わりないと思います。